~アスコットのきついターンは室屋に優位に働くか~
レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第5戦が、いよいよ今週末、イギリスの有名なアスコット競馬場で開催される。参戦するパイロットたちは、今シーズン初めて陸上で行われる今回の大会を心待ちにしている。
バルト海で開かれた第4戦では第1ラウンド突破ならず涙を呑んだ室屋。今回の会場の特徴を生かし、シーズン開幕後の好調を取り戻そうと意欲に燃えている。
4月にクロアチアのロヴィニ大会で見事3位に入賞し、念願のRed Bull Air Race初表彰台を祝った室屋。その結果に満足せず、さらに上をねらったものの、続くマレーシア、ポーランドの大会では思うような成績が残せなかった。
今週末、シーズン後半のスタートにもなるイギリスのアスコット大会で、室屋は心機一転、巻き返しに出るつもりだ。
3週間前にバルト海上で行われたグディニア大会(ポーランド)は、強風の中で行われ、室屋はエアゲート通過時に高度制限を超えて飛ぶという些細なミスを犯した。それが原因でタイムペナルティを課され、ワールドチャンピオンシップ総合ランキングでも8位に後退した。
しかし、冷静沈着な室屋は気持ちを切り替え、この経験を生かし飛行スキルをさらにレベルアップさせたいと固く決意している。
アスコット大会には、今までの大会とは異なる点がある。それは、今シーズン初めて陸上で行われるレースであるという点だ。そしてパイロットには、周囲の風景から視覚上の手がかりが与えられる。広い海上ではこうした手がかりは無いに等しい。
その視覚上の手がかりは、レース中最高速度時速370km、最大負荷10Gに達する条件下で飛行機を操るパイロットたちにとって、貴重な助けになる可能性もあるが、反対に妨げとなりロスタイムにつながる可能性もある。
~室屋コメント~
「アスコット大会のレーストラックは、実にチャレンジングです。しかし、いつもとは違うトラックで、何よりも会場が素晴らしいので、フライトが待ちきれないですね。私のマシンは、直線のトラックでは他の早いマシンに追いつけるほど速くありませんが、ターンがあれば私に勝ち目が出てきます。今回はターンの多いタイトなトラックなので、私に有利に働き、よいチャンスを与えてくれるはずです。」
Limex Images/Red Bull Content Pool