今週末、ラスベガス・モーター・スピードウェイでRed Bull Air Race World Championship(レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ)の第7戦が開催される。今回のレースはパイロットたちにとって、オーストリアで行われるシーズン閉幕戦の前にランキング順位をアップさせる最後のチャンスだ。第7戦が近づく中、 いつもにも増して自信に満ちあふれる様子の日本の室屋に迫った。
「今日、自分に100万ドル賭けて、日曜のレースで優勝したら、1200万ドルを手に帰国できることになる!」
室屋はそんなジョークを飛ばした。今週末ラスベガスで開催されるRed Bull Air Race World Championship第7戦を控え、パイロットたちはレースの準備に余念がない。そんな中、室屋は平常心そのもののように見える。ラスベガスといえば米国随一のギャンブルの都、人々はカジノで勝算をはかることに慣れている。それに従えば、室屋がレースで勝利する勝算は12分の1。とはいえ、現実にはそんな賭けに参加していない室屋。ハンガーでリラックスしながら最初のトレーニングランに向けて意識を集中させている。その中で
今シーズンを通じ自信が培われ、新たなレベルに到達できたことを確信したと言う。
最新のワールドチャンピオンシップ順位で室屋は 8位につけている。決して悪くはないが、3位でフィニッシュし初表彰台入りを果たした春のロヴィニ大会(クロアチア)をはじめとする、今年の室屋の著しい成長を本当に反映しているとは言えない。そして世界最速のモータースポーツ・シリーズの2014年シーズンもあと残すところ2大会となった現在、福島出身の室屋はラスベガス・モーター・スピードウェイに週末のレース用に設けられたトラックを次のように分析している。
「先月のテキサスのトラックと比べてシンプルなトラックだと言えるでしょう。でも、ここの空気はもっと乾燥しています。そして標高も低いので、空気は少々密度が濃くなります。よりレースに向いていると言えますね。」高速低空のアクションが連続するレースで、いつもと同様持てる力をすべて出し切るつもりの室屋、もちろん目標は再度の表彰台入りである。
さらに、室屋が自信を深めるためにもう一役買っているのが、母国日本の熱狂的なファン層だ。室屋は次のようにコメントした。「このスポーツに興味を持つ人がどんどん増えています。もし将来日本でレースが行われることがあれば、ファンの数はきっと爆発的に増えるでしょう。」
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レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第7戦、米国・ラスベガス戦は、日本時間の10月13日(月祝)午前5時から、レッドブル・エアレース公式ウェブサイトの他、Red Bull TVなどでライブ中継される予定。是非お見逃しなく!
Photo by TARO IMAHARA/TIPP
Photo by Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool